進撃の巨人

なぜ進撃の巨人がここまで人気のマンガになったのか、考察していきます。

進撃の巨人はなぜここまで人気のマンガになったのか?

進撃の巨人は、私も好きな作品でマンガでも、アニメでも見ています。

 

ですが、はじめは絵がそこまでうまくないと言われたりして、ここまで人気のマンガになるとは思われていませんでした。

 

トーリーには定評があったのですが、一般受けする絵柄ではないと評価されていたと思います。

 

しかし、その評価は変わり、いまでは日本を代表するマンガ、いやそれ以上の日本を代表するコンテンツとなりましたよね。

 

ではなぜ、進撃の巨人はここまでの人気になったのでしょうか。

 

そこには、進撃の巨人がヒットした時期と、進撃の巨人ならではの設定が関係していると考えました。※あくまで一個人の見解です。

 

進撃の巨人がヒットしたのは、ちょうど日本が隣国の中国や韓国との関係が悪化している時期でした。

 

日本の領海内に中国の船が入ったり、尖閣問題があったり、中国にある日本のデパートが襲撃されたり、日本車が壊される映像が、日本のテレビで大きく報道されていましたね。

 

韓国とは竹島の問題を抱えていました。

 

今は少し軟化していますが、当時は「日本の周りには敵が多い」と、日本人が潜在的に思っていた時期だったと思います。

 

進撃の巨人は、人間が住む地区は50メートルの壁に囲まれていて、その外には人間を食す巨人が徘徊しているという状況です。

 

日本は海に囲まれています。

壁とは異なりますが、海の外側には日本に憎悪をもった存在がいて、領土を奪おうとしているという状況が、進撃の巨人にとても似ていると思いました。

 

そして、社会現象にまでなった、進撃の巨人がアニメ化したことも、人気を高める大きな要因になりました。

アニメは作画もきれいでしたし、声優さんたちの演技も素晴らしかった。

 

その中で、進撃の巨人のアニメのオープニングソング「紅蓮の弓矢(ぐれんのゆみや)」に注目してみます。

 

この歌は、一度聞いてもらえるとわかりますが、ちょっとだけ軍歌を連想するんですよね。

進撃の巨人のひとつのテーマとなっている「戦え!」という言葉。

何か大きな、恐ろしい存在と戦わないといけない状況の中で、それを奮い立たせるようなメロディーになっています。

 

歌詞にも、「踏まれた花」「地に落ちた鳥」「祈ったところで何も変わらない」「今を変えるのは戦う覚悟だ」「屍踏み越えて進む意思を笑う豚」「家畜の安寧」「囚われた屈辱」「反撃」「獲物を屠る」「ほどばしる情動にその身を焼きながら」

というような、ちょっと過激な歌詞になっています。

歌のメロディーとしてカッコいいのは確かなのですが、これらの刺激的な歌詞も、紅蓮の弓矢が人気になった原因の一つでしょう。 

 

 

では、そのほかの進撃の巨人の設定をすこし見てみましょう。

 

・人間が住んでいる居住区は高さ50メートルの壁に囲まれていて、その外には人間を食す巨人が徘徊している。

 

・100年破られることのなかった壁が、超大型巨人によって破壊され、人間の居住区に巨人が入り込んでくる。

 

・人間の居住区は3つの大きな円の壁に囲まれていて、中央には王が住んでいる。一番内側の居住区には貴族などが住んでいて、外側に行けば行くほど労働者階級になっていく。

 

・外側の壁が破られて巨人に入られると、その場所はもう人類が住めなくなり、壁の内側に人間が移動するしかなくなる。そうなると食料が足りなくなり、人間同士の争いが起こってしまう。

  

・主人公のエレンの性格が、かなりぶっとんでいて、(「巨人を駆逐してやる。一匹残らず」というような言葉使いなど)ある意味でこれまでのマンガの主人公っぽくない。

 

・壁の外を調査する、調査兵団という組織がある。

 

・エレンは、訓練兵として兵団で訓練を受け、調査兵団を目指す。

 

スパイダーマンのように建物や木の間をすごいスピードで移動できる、立体起動装置というものがある。

 

・どんどん人が死んでいく。巨人に食われる描写がむごい。

 

・普通のマンガだとありえない展開、普通のマンガとは逆の展開が起こる。

 

・いい意味で、読み手の想像を裏切ってくる。 

 

・主人公のエレンをはじめ、人類は海を見たことがない。

 

まだまだたくさんあるのですが、進撃の巨人にはこのような設定があるからこそ人気になったのでしょう。

 

 

あと、進撃の巨人は、アメリカの軍人さんにも人気だと聞いたことがあります。

これはなんだかわかる気がします。

 

調査兵団を、軍隊にいる自分と重ねて見るからかもしれません。

 

エレンははじめ、訓練兵として軍隊のような訓練を受けます。

同期のメンバーと意気投合したり、殴り合ったりしながら、仲を深めていき、ものすごいきびしい訓練を経て、兵士になっていきます。

 

調査兵団は巨人のいる壁の外に出て、失った人類の領地を巨人から取り戻すために活動しています。

壁の外を調査するたびに、巨人に食われて腕や足を失ったり、死ぬ隊員がたくさんでます。

それでも、人類の未来のために勇敢にも外に出ているのですが、それを揶揄する人たちもいるんですよね。

 

「壁の中は安心なのだから、別に無理をして外に出ることはない」

 こう思う人がたくさんいるからです。

このあたりが、進撃の巨人がリアルな点だと思います。

 

調査兵団がボロボロになって帰ってくると、「なんのために外に出たんだ~?また巨人の餌になりにいったのか?」とか「税金泥棒」というひどい言葉を浴びせる人間もいます。

 

アメリカの軍人も、イラクや中東などの戦地で死ぬ思いをしてアメリカに戻ったあと、PTSDになってしまう人が多いと聞きます。

自国のために命をはったのに、アメリカに戻ってきて、近所の人に白い目で見られることがあるらしいです。

 

兵団の訓練や、壁外に出て戦うこと、そして戻っても必ずしも褒められるわけではないこと。

 

これらが、アメリカの軍人さんに進撃の巨人が人気の理由でしょうか。

 

あともうひとつ、調査兵団のエルヴィン隊長の「大義のための無慈悲な決断」なども、軍隊の人の心に響くのかもしれません。

 

 

進撃の巨人の魅力は、

巨人の恐怖

その恐怖に打ち勝つ人間の意志力

立体起動装置のかっこよさ

調査兵団の思い

エレンの「戦え!」という熱い言葉

仲間との絆

などが挙げられます。

 

あと、進撃の巨人は女性からの人気も高いんですよね。

これが、他の青年漫画と違う点かもしれません。

おそらく女性一番人気なのは、調査兵団の中で、というよりは人類で最強と言われている“リヴァイ兵長”です。

クールな面持ちと、エレンに対してのドSな態度が、世の女性を虜にしています。

 

進撃の巨人の原作漫画は、いま新たな局面を迎えています。

かなりわくわくする内容です。

まだマンガを読んだことがない方、途中までみたけど最近単行本を買ってない方。

進撃の巨人すごく面白い展開になっているので見てみましょう!!